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2025/07/24 08:58

はぶ草の収穫が始まりました。

子どもたちの夏休みと同時に、今年もはぶ草茶の収穫がスタートしました。

日が暮れる夕方5時ごろに畑に向かい、7時頃まではぶ草を一本一本手で収穫します。

そして翌朝5時、まだ日が明ける前から、天日干しに向けて細断し、揉む作業が始まります。

 🌿天日干しは朝8時から夕方6時、天気次第では2日間にかけてじっくり乾燥させます。


🌱 毎年初めての気持ちで
毎年、種をまき、育て、収穫し、天日に干して袋に詰めるまでの一連の作業を、まるで「今年が初めてかのような気持ち」で、願いながら取り組んでいます。今年は雨が少なかった影響で、茎が少しかたくなってしまいましたが、いいはぶ草茶ができています。


 🌿 伝統を守る理由
はぶ草茶の栽培を始めたのは2021年。

当時、平均年齢80代の生産者グループの皆さんから、「はぶ草茶の栽培を引き継いでほしい」とお願いされたのが、きっかけでした。

農薬を使わず、天日で乾燥させ、時間をかけて鉄窯で焙煎する──。

そんなお茶作りは、今ではなかなか見られません。

伝統的な製法と、お茶の素朴なおいしさ、皆様の楽しそうに作業される様子に惹かれて、継承することを決めました。

とはいえ、皆さんの活動は定年退職後に無理のない範囲で楽しむものであり、栽培も販売も少量規模でした。

一方の私は、当時絶賛子育て中。

4人の子どもを育てながら、家計的にも「働かない」という選択肢はなくて…。

「この伝統的なお茶作りを、自分の仕事にしたい。だから、3年間だけ好きにチャレンジさせてほしい」

そう主人にお願いしたのを、今でもよく覚えています。…気づけばすでに4年目ですが(苦笑)。


 🌿里山の美しさと生産性を守ること

私が移住してきたこの広島県の中山間地域。

いわゆる“美しい里山”という風景は、そこに生産性があるからこそ維持されていると感じています。

お米を作る、野菜を育てる。

また、里山でしかできない学びや体験。それらに価値を加え、フィールドとして提供する。

こうした営みがあるからこそ、里山の風景は保たれているのだと思います。

土地の活用をやめてしまえば、あっという間に荒れて山になってしまう。

だからこそ、この場所でお茶を作り続け、土地を活用し続けることには、社会的にも大きな価値があると思っています。


「お茶作りを通して、小さな町に雇用が生まれ、その活動や取り組みが、結果として美しい日本の風土を次世代につなぐことに繋がっているか」


「一人ひとりが、自分にできる力で仕事をすることが環境や生態系、人々の心かからだにとって、心地よい循環を生むものになっているか」

この問いは、Teto tetoを立ち上げたときから、ずっと私の中にある柱です。


決して大きくはありませんがそんな循環を実感しながら仕事ができていることを、とてもありがたく思っています。

Teto tetoのお茶を選んでくださるお客様、地域の方々、家族の理解と支えがあってこその今。

感謝を忘れずに、今日もお茶作りに励みます。

ブログを開いて下さり、お読みくださり、本当にありがとうございました!